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院長ブログ

妊娠と薬剤

妊娠と薬剤 

―薬剤服用時の妊娠の基礎知識―

1. 妊娠週数について
妊娠週数の計算は月経周期が28日周期の場合、月経の初日を0週0日とし、排卵日は1週6日(14日目)とします。1週6日までは妊娠週数と呼称しますが、まだ妊娠していない時期です。 次回の月経予定日は、4週0日(29日目)で、この日が妊娠2ヶ月目の初日です。そして40週0日が分娩予定日となります。

2.受精卵の発育について
1週6日に排卵した卵は、卵管膨大部で受精し、卵割を繰り返しながら1週間前後で子宮内膜に着床します。その後、受精卵は分化し器官形成を行います。器官の基本的な形態が完成するには約4週間かかると言われています。

―胎児の週数による薬剤の影響―

1. 受精前から妊娠3週6日までの薬剤投与
この時期、薬剤の影響を強く受ければ、受精前の卵子は受精能力がなくなり、受精後2週間以内の受精卵では着床をおこさず流産となります。この時期に薬剤の影響を乗り越えて着床し、器官形成がおこれば胎児には全く問題ないと考えてよいでしょう。(all or noneの時期)
サリドマイド奇形の感受期から考えると月経周期28日型の人では、月経初日から33日目ぐらいまで(ちょうどつわりが始まる時期)は臨床的に安全と考えられます。

2. 妊娠4週―7週までの時期
この時期は胎児の中枢神経、心臓、消化器、四肢など重要臓器が発生、分化するため、もっとも敏感な時期となります。この時期の薬剤投与は慎重に行わなくてはなりません。

3. 妊娠8週―15週までの時期
胎児の重要な器官の形成時期は過ぎていますが、性器の分化や口蓋の閉鎖などの時期であるため、やはり薬剤投与は慎重に行います。

4. 妊娠16週―分娩まで
この時期に投与された薬剤は、胎盤を通過して、胎児に到達します。胎盤の通過性は、薬剤の分子量、脂溶性、解離性で異なります。そのため薬剤により胎児への移行比率が変わります。

―妊娠中の薬剤投与の原則―

添付文書で「禁忌」、「投与しないこと」、「投与しないことが望ましい」となっている薬剤は、基本的に妊娠中は投与しないこと。
「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること」と記載されている場合は催奇形性等の障害のおこる可能性はきわめて低いことを考慮しても、必要最小限量をなるべく短期間投与することを原則とします。
また、臨床上一番問題になる妊娠したかどうかわからない時期に飲んだ薬ですが、これは今まで述べたように最終月経開始日から28日以前の投与の場合、催奇形性が問題になることはありません。28日以降では最近の妊娠診断薬は高感度であり、予定月経の2―3日前から妊娠と診断できるため、妊娠反応を行ってからの投薬が可能です。
薬剤はもちろん必要があって投与するものであり、安全、無害だから投与するという薬はありません。このことは「くすり」を逆から読んでもわかります。つまり、胎児に安全性の確立された薬はないと言えますが、必要があり服用する場合は安全性をよく確認し、適切な量を確実に服用するようにしましょう。

 

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