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院長ブログ

月経痛は亜鉛で治る?

亜鉛欠乏症

亜鉛欠乏症と味覚障害の関連が最近かなりあきらかになり、低亜鉛血症で保険適応を取得した『ノベルジン』の需要が伸びていると聞きます。

『ノベルジン』の添付文書をみると適用は「ウイルソン病」と「低亜鉛血症」となっいます。

あすか製薬のHPでは「低亜鉛血症」について以下のように書いています。

低亜鉛血症は、血清亜鉛濃度が低下し、生体内の亜鉛が不足した状態である。
亜鉛は 300 種類 以上の酵素の活性化に必要な成分であり、細胞分裂や核酸代謝などにも重要な役割を果たして いる。

亜鉛欠乏によってもたらされる病態として、食欲低下、発育障害、皮膚症状、脱毛、性腺機 能不全、性腺発育障害、創傷治癒遅延、易感染性、味覚低下、異食症、情緒不安定、運動失調、 貧血、汎血球減少、低アルブミン血症、慢性下痢、免疫機能障害、神経感覚障害、認知機能障害 など多彩な症状があること、また、亜鉛欠乏を合併する疾患や状態では、C 型肝炎・肝硬変、糖 尿病、腎不全・透析などがあります。

本邦における低亜鉛血症患者数は約 6.8 万人(低身長:約 0.7 万人、味覚障害:約 4 万人、慢性 肝疾患:約 2.1 万人)と推定される。

このような多彩な病態に関係している亜鉛ですが、2000年頃からぼちぼちと原発性月経困難症に効果があるのではないかという報告が散見されています。

最近の報告では
『Comparison of the effect of Ginger and Zinc Suifate on Primary Dysmenorrhea:
A Placebo-Controlled Randomaized Trial』
2014 by the American Society for pain Management nursing
Farzaneb Kashefi,PhD Candidate

『A randomised controlled trial of oral zinc suiphate for primary dysmenorrhoea in adolescent females』
2015 by The Royal Australian and Zeoland College of Obstetrician and gynecologists
Omid R. Zekavat

いずれの報告も月経期間中に亜鉛製剤を服用すると月経中の痛みが軽減するという内容です。

ということでこのようなタイトルになったのですが・・

月経痛と亜鉛の論文を詳しく調べてみると1983年に最初の報告があり、それ以降、日本でも亜鉛で月経痛が軽減するとの報告がありました。

しかし、まだまだ一般的によく知られた治療ではないですね。さらに亜鉛が欠乏しているかいないかは関係ないようで、いずれの報告も亜鉛の血中濃度は測定されていません。

思春期の月経痛で低用量ピルを飲みたくないという患者さんも多いので、亜鉛製剤の服用は副作用も少なく試してみる価値はあると思われます。あるいは亜鉛の多い食べ物を月経中にとるようにするなど食生活を工夫してみるのもいいでしょう。

実際、体内の亜鉛って不足するのかな~

亜鉛は、体内の至る所、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに分布して約2,000mgがタンパク質などの高分子と結合いています。

排泄は主に糞便中(5 ~ 10mg/日)で、体内の亜鉛量と関係なくほぼ一定量が尿中へも排泄(0.5mg/ 日)されます。

さらに亜鉛は鉄におけるフェリチンのような貯蔵蛋白が存在せず、血中へは日々供給されています。そのため、過剰症はなく、きわめて安全域の広い必須ミネラルと言われています。

先ず、血中亜鉛を測定してみよう!

亜鉛は、微量ミネラルの中では最も欠乏しやすい栄養素であり、アメリカでは人口の1~3%に亜鉛欠乏症がみられるという報告もありました。亜鉛の多彩な生理作用により多種の疾患で亜鉛不足が病態であったと亜鉛を測定して初めてわかることがあります。

血清亜鉛は全身の亜鉛量の約 1%程度ですが、全身の亜鉛欠乏の指標として有用です。基準値は原子吸光法でおよそ 80~160μg/dlぐらい です。しかし、日内変動もあり、午前中に高く午後に低下しますので、基準値は参考程度で今起こっている症状が一番重要になります。

妊活中、妊娠中には、成人の必要量より多 い 1 日 20~25mg の亜鉛を摂取することで胎児の奇形率をさげると言われています。また、授乳期にも必要なミネラルです。

さらに日本人に不足しがちなミネラルは,カルシウム, マグネシウム,鉄,亜鉛,銅などがあり、とくに 高齢者では血清亜鉛濃度の低下する人が多いようです。

高齢者も亜鉛は不足しがちで、とくに 75 歳以上の後期高齢者は成人量より 多量の亜鉛を摂取できるように注意が必要です。

また、亜鉛製剤の服用で困っている疾患の所見・症状が改善することもあるので亜鉛濃度が基準値内でも亜鉛補充を考慮しましょう。

亜鉛が多く含まれる食べ物

魚介類
カキ、ホタテ、にぼし、するめ、かに、ウナギ、たらこ、さんまなど

肉や卵類
ビーフジャーキー、レバー、牛肉、卵黄、ささみ肉など

豆類や木の実
松の実、ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、高野豆腐、きな粉、大豆、油揚げ、納豆など

乳製品
パルメザンチーズ、脱脂粉乳、プロセスチーズ、カマンベールチーズ、牛乳など

一般的に亜鉛は、成長期の多い子どもや、偏った食事をしているダイエット中の人、高齢者などで食事摂取が少量の人はすぐに不足するミネラルです。 さらに重い病気を患っている人は、病気を治すために代謝が盛んになり、亜鉛の消費量が多くなったり、下痢によって喪失され不足しがちになります。

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