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院長ブログ

ワクチンを考えてみよう!

ワクチン接種の現状 in Japan

VPD(Vaccine Preventable Dieseases)とは「ワクチンで防げる病気」の総称です。

小児も高齢者も病気に対する免疫力が低いため、成人ではかかりにくい病気に簡単にかかってしまい、最悪の場合、命まで落とすことになりかねない事態になります。ワクチンで防げる病気はかかる前にワクチンを打ってその病気に対する免疫力をつけましょう。

日本でのワクチン接種の問題点は小児も高齢者も接種率の低さです。この原因はワクチン渦として一時マスコミが「ワクチンは悪」のような騒ぎ方をしたこと、それに便乗した方々の流言飛語、国のワクチン行政に一貫性がないこと、一部の製薬メーカと厚労省が密度の濃い関係ではないかと疑われたことなどなど複合的な要因があります。

ワクチン接種でよく使われる用語である「定期接種」は国が法律に基づいて、時期や接種スケジュールを決めて行う接種ワクチンです。また、「任意接種」は接種者側の判断で受けることを決める自己責任のワクチン接種という意味です。

定期接種ワクチンは医学的に重要度が高く、任意接種ワクチンの重症度が低いかというと、上記の述べたような理由でそうでもないということが非常に問題なのですが・・・
興味のある方はこちらもご覧下さい。

 

小児のワクチン


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定期接種 できるワクチン**

ポリオワクチン 
2012年より生ワクチンから不活性化ポリオワクチンに変更になりDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンとの四種混合ワクチン定期接種(DPT-IPV)が可能となりました。
初回接種:生後3ヶ月から~12ヶ月の間に、3回接種。接種間隔は20日以上です。
追加接種は1回で、初回接種の3回目が終わってから12ヶ月18ヶ月後です(最低6ヶ月はあけます)

*ポリオ(急性灰白髄炎)*
脊髄性小児麻痺とも呼ばれます。名前のとおり子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、 神経麻痺などを起こす病気です。麻痺は後遺症として残ります。

DPT三種混合ワクチン
ジフテリア・百目咳・破傷風の混合ワクチンです。 生後3ヵ月~12ヶ月の間に3~8週の間隔で3回接種します。 (ポリオの不活性化ワクチンと混合接種可)その12ヶ月~18ヶ月の間に1回接種して終了します。

*ジフテリア*
かつては世界中で年間8万人以上の患者が発生し、そのうちの10%程度が亡くなっていたほどの恐れられた病気でした。
喉や気管支に感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、 眼球や横隔膜などの麻痺や心不全を起こし、死亡に至ることがあります。

*百日咳*
かぜ様症状で始まり、次第に咳が著しくなり、百日咳特有の息苦しさを伴う激しい咳がでるようになり、その咳がなかなか治らない病気です。新生児や乳児がかかった場合、死に至る場合もあります。

*破傷風*
傷口に菌が入り込んで感染を起こし、破傷風菌の毒素で、さまざまな神経を麻痺させます。たとえば、口が開き難い、、歩行や排尿・排便の 障害、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせ、息ができなくなり、死に至る場合があります。 

BCGワクチン
乳幼児の重症結核(粟粒結核や結核性髄膜炎)を予防します。
WHO・UNICEFはワクチンが受けられず結核で死亡する発展途上国の乳幼児を救うために新生児が生後24時間以内にBCGワクチン接種を受ける募金活動を行っています。
また、BCGワクチンが成人の結核予防効果もあると思われていた時期もありましたが、メタアナリシスでは否定的な結果がでています。
生後5~8ヶ月に1回接種します。

*結核*
菌が肺に入って増殖を始めると、軽い肺炎のような症状が起きます。その後、抗体ができ結核菌を病巣内押さえ込む安定期に入りますが、免疫力が落ちると結核菌が再び猛威を振るうことがあります。

ヒブワクチン
2013年から定期接種になりました。
生後2ヶ月~6ヶ月の間に1~2ヶ月の感覚をあけて3回接種します。その後、7~13ヶ月の間に1回接種を行い終了します。 

*Hib感染症*
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenza type b) によって発生する病気で、乳幼児期には重症化しやすいので注意が必要です。しかし、症状がないまま菌を保菌して日常生活を送っている子どもも多くいます。何らかのきっかけでHib菌が増殖すると、 肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎等の重篤な疾患を引き起こす場合があります。 

水痘ワクチン
2014年から定期接種になりました。
1~2歳の間に2回接種します。

*水痘*
「みずぼうそう」といわれる病気です。発疹は紅斑から始まり、 水疱、膿疱という経過をたどり、痂皮化して治癒します。
主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めますが、成人が感染した場合、重症化します。

麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)
麻疹ワクチンと風疹ワクチンの混合ワクチンです。風疹ワクチンの2回接種は2006年に始まったばかりです。その前には中学三年生時に女子だけの1回接種をしていた時期をもあり、 接種漏れの人たちが妊娠適齢期に達したため、妊婦さんの風疹感染が懸念されています。
1歳時に1回と小学校入学前の1年間に1回の合計2回します。

*麻疹*
空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と様々な感染経路を示し、その感染力は極めて強力です。麻疹に対して免疫を持たない者が感染した場合、 典型的な臨床経過としては10~12日間の潜伏期を経て発症し、カタル期(2~4日間)、発疹期(3~5日間)、回復期という経過をたどります。
しかし、麻疹ウイルスは、 免疫を担う全身のリンパ組織を中心に増殖し、一過性に強い免疫機能抑制状態を生じ、そのために合併した別の細菌やウイルスによる感染症が重症化することがあります。 日本では2000年前後の流行時に年間約20~30人が死亡しました。

*風疹*
発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症です。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、 臨床症状のみで風疹と診断することは困難な場合があります。
風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性があります。そのため、妊婦の感染は特に注意しなければなりません。

日本脳炎ワクチン
3歳前後に2回、その1年後に3回目接種をおこないます。さらに9歳~12歳に1回接種で終了です。 

*日本脳炎*
潜伏期は6 〜16 日間で、数日間の高発熱と頭痛、悪心、嘔吐、眩暈などが認められます。小児では項部硬直、光線過敏、種々 の段階の意識障害と筋強直、脳神経症状、不随意運動、 振戦、麻痺、病的反射などが現れます。
死亡率は20〜40%で、幼少児や老人の死亡の危険率は上昇します。

B型肝炎ワクチン
母親がB型肝炎キャリアでない場合には一般的な感染予防スケジュールを行います。
1歳になる前に3回接種します。

*B型肝炎ワクチン*
1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。尿の色は 濃いウーロン茶様であり、黄疸はまず眼球結膜が黄色くなり、その後皮膚も黄色みを帯びてきます。中には、激しい炎症による肝不全を呈し、いわゆる劇症肝炎を来すこともあります。

小児用肺炎球菌ワクチン
2013年から従来の7価ワクチンが13価ワクチンに切り替わりました。
生後2ヶ月から接種できます。4週間間隔で3回、生後12~15ヶ月で4回目接種します。

日本で細菌性髄膜炎の原因となる主な菌は、ヒブ(1種類)と肺炎球菌(90種類ある中で病気を起こしやすい13種類)です。これらの菌は、ふだんは鼻やのどの奥にいて、普通は発病しません。保育所など小さな子どもが集団生活をする場では、ヒブや肺炎球菌の検査をすると、多数の子どもたちの鼻などから見つかります。、元気な子どもでもこれらの菌が血液の中に入り込むことはあり、その一部の子どもでは体内の至る所で炎症を起こします。脳を包む膜(髄膜)に入り込むと細菌性髄膜炎を引き起こします。

**任意接種のワクチン**

ロタウイルス
乳幼児は重症化しやすいのですが、ワクチンの接種により症重症化の90%は防ぐことが出来ます。
接種スケジュール6~8週頃より4週間おきに2~3回接種します。

*ロタウイルス*
急性の胃腸炎を引き起こすウイルスで、乳幼児期にかかりやすい病気です。感染力は強く、ごくわずかなウイルスでも体内に入れば感染する可能性があります。水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛が主な症状で、脱水症状がひどくなると点滴が必要です。5歳までの急性胃腸炎の40~50%はこのウイルスが原因です。

おたふくかぜワクチン
世界的には多くの国で定期接種が行われています。
1歳で接種、その後数年後に2回接種して終了です。

*おたふくかぜ*
突然の発熱、両側あるいは片側の耳下腺のはれと痛みで始まります。顎下腺にも広がることがあります。唾液腺のはれは3~5日で引くことが多く、7~10日で治ります。成人男子が感染すれば精巣炎を起こし、無精子症になることがあります。

インフルエンザワクチン
毎年、流行株がかわるやっかいなウイルスですが、インフルエンザワクチン接種は冬の風物詩になっています。
6ヶ月から接種可能12歳までは2回接種を推奨していますが、ほぼ1回接種で70~80%の人に抗体が成立します。

*インフルエンザ*
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状が短期間に現れるのが特徴です。もちろん、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。乳幼児はまれに急性脳症を起こすことがあり、高齢者や免疫力の低下している人は肺炎などを起こし重症になることがあります。

A型肝炎ウイルス
A型肝炎が流行している地域(インド、フィリピン、韓国、インドネシア、中国、パキスタン、タイ、カンボジア、ネパール、マレーシアなどのアジアの国々)に長期滞在する人に推奨されるワクチンです。
1歳過ぎてから接種可能。2回接種で終了です。

*A型肝炎*
急性肝炎のほとんどはA型肝炎ウイルスです。乳幼児は80~95%が不顕性感染で症状が出ずに感染していることがあります。
成人では、38度以上の高熱、黄疸、全身倦怠感、下痢に食欲不振が起こり、治癒までに1~2ヵ月もかかります。

髄膜炎菌ワクチン
アフリカには大西洋岸のセネガルから東はエチオピア・スーダンに広がる“髄膜炎ベルト”と呼ばれる地域があり、 毎年数万人の感染者と数百人~数千人の死者が出ています。
乳幼児を含む全年齢を対象として2~4回接種します。

*髄膜炎菌感染症*
初期症状は、発熱、頭痛、嘔吐など、風邪の症状に似ているため、 早期診断がとても難しく、髄膜炎菌による髄膜炎は、病状が急激に進行します。症状が急激なだけに意識障害、ショック、全身性出血などのために死亡することもあります。 発症後2日以内に5~10%が死亡すると言われています。適切な治療を受けても、10~20%の割合で神経障害や手足の切断などの後遺症を残すこともあります。

高齢者のワクチン

高齢者は青年期・壮年期の比べて免疫力も落ち、乳幼児と同様に再び感染症にかかりやすくなります。

高齢者の肺炎は死因第3位で、症状も激しくなく風邪かと思っていると急激に呼吸不全を起こし死に至ることがあります。

また、帯状疱疹は免疫力が弱った高齢者に多く、帯状疱疹が治ったあともその部分の帯状疱疹後神経痛に長く苦しむことになります。

**定期接種**
肺炎球菌ワクチン
高齢者の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)と、この小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー13:PCV13)とは全く違うものです。2014年10月から定期接種となるのは、「ニューモバックスNP」です。
65歳から5歳おきに一人につき1回接種できます。

インフルエンザワクチン
死因第三位の肺炎を防ぐためにも、毎年のワクチン接種は必ず行いましょう。
65歳以上で毎シーズン1回接種できます。

**任意接種**
水痘ワクチン
50歳以上の帯状疱疹予防のため推奨されています。
60歳以上について1回接種を行います。

帯状疱疹:
水痘(みずぼうそう)も帯状疱疹も同じウイルスです。どちらも治ったといってもウイルスが消滅したわけではありません。
体の神経節に潜んで、宿主の免疫力が低下した時にウイルスが体表面に出現し帯状疱疹として復活します。治った後も後遺症として帯状疱疹後神経痛として痛みが長引きます。

 

ワクチン接種は有効か?

この議論はかなり語り尽くされていると思いますので、問題の議論をいくつのかの項目に分けて評価してみましょう。

(1) ワクチンの副反応
もちろん、薬ですから思わぬ副反応がでることがあります。たとえば、接種部位の腫れ、発熱、生ワクチンでの感染、無菌性髄膜炎なども起こりますが、軽微なものを含めても発生率は数百万分の1程度です。さらに定期ワクチンには救済制度の保証があります。

救済制度:
予防接種によって起こったものではない」と明確に否定されない限り、因果関係が認められたことになり、予防接種法による救済措置を受けることができます。 

(2) ワクチンの有効性
ワクチンの無い200年前の世界を想像して見て下さい。乳幼児の死亡率は北アメリカで40人(出生1000人あたり)、ヨーロッパでは37、日本36人でしたが、今ではいずれの国も3人を下回っています。
200年前の乳幼児死亡の原因のほとんどが感染症であったことを考えるとワクチンの有効性は歴史的に証明されています。
ただ、野口英世の黄熱病ワクチンや未承認のエイズワクチン、ツベルクリンなど失敗ワクチンや開発途上ワクチンがワクチン開発の闇と難しさを暗示させます。

(3)ワクチンの安全性
医薬品に副反応のないものはありません。もちろん、ワクチンも医薬品ですから副反応はあります。しかしほとんどは重大なものではありません。
接種後にも重い症状(脳炎など)が見られることもありますが、これらはたまたま起こった別の病気によって引き起こされた症状がほとんどだと思います。

例をあげると、日本脳炎のワクチンは接種後にアデム(ADEM)と呼ばれる重い脳炎の人たちがいたことなどで、政府が積極的勧奨接種を控える勧告(実質上の中止)を行いました。この問題は2006年にWHOの専門委員会で検討を行い、結果、日本脳炎は大変重大な病気で、ワクチン接種が人にとって大切であり、ワクチンでアデムになるという見解は根拠がないと結論をだしています。
他にも、子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの接種後に原因不明の痛みを訴える事例が続いたことを機に、2013年6月に積極的な接種勧奨を中止しました。こちらも2015年12月17日WHOのGACVS(クチン安全性諮問委員会)で「現時点まで、HIVワクチン接種推奨に変更があるような安全上の問題は確認されていない」 とする声明を発表し、同時に200万人以上を対象にフランスで行った調査などを紹介し、接種後に起こる自己免疫疾患について、「接種した人としていない人とでは有意な差がなかった」と声明を出しています。

通常使われているワクチンに極めて稀とはいえ重い副反応が全くないとは言いきれませんが、世界ではワクチンを受けることのメリットが、ワクチンを受けないでVPDの被害を受けることのリスクよりも人類にとって極めて大きいと判断して、ワクチン接種を推進しています。

ワクチンの安全性に対する考え方で日本と世界では大きなギャップがあるのが現状です。
ワクチン問題にしろ、新薬治験にしろ、安楽死問題にしろ、日本は医療の分野では意外と個人主義がまかり通ってるのかもしれません。

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