院長ブログ

巻き爪・陥入爪手術と言われたらその前に必ず読もう!巻き爪治療の最新情報

巻き爪は増えている

歩くと痛い巻き爪から少し巻いているのか程度の巻き爪まで、爪の湾曲が目立つ方は高齢人口が増えるに従って10人に一人とも言われるくらいに増加しています。

巻き爪の原因は種々ありますが、最初に歩き方や靴の選び方などのきっかけがあり、爪の痛みが生じた場合に極力その指を使わないという浮き指現象がおこります。痛みと浮き指が悪循環になり、ますます巻き爪が進行することになりますので、痛みの軽いうちにテーピング等の自己治療で治すことをお薦めします。ひどい巻き爪や炎症を伴う巻き爪は専門の機関で時間をかけて治さないと完治にいたりません。

テーピングによる巻き爪・陥入爪の自己治療

爪との先頭が皮膚に当たると痛くなるため、深爪して一時的にでも痛みを取ろうとしますが、爪を伸ばす方が巻き爪治療にとっては効果的に働きます。そのため、巻き込んでいる方の爪と皮膚の境目から皮膚をひっぱるようにテーピングし、爪が伸びても皮膚が痛くないように調節します。このテーピングにより爪を伸ばすことができ、痛みもないため、大地に指を踏み込むことができます。また、足指からの持ちあげる力もテーピングでさらに加わり、爪が丸まろうという力と指からの強い反発力で軽い巻き爪なら爪は自然と平らになります。巻いている爪と皮膚の間にコットンを詰め込むコットンパッキング法もありますが、汚くなりやすく取り替えが面倒で長期間の矯正には向きません。

ちなみに足の三角アーチを保ち、疲れにくい足にするにもテーピングは有効です。

開張足は外反拇指の予備軍です!テーピングで予防しましょう(PDF)

歩くとすぐ足が疲れる方は足指体操で足底筋を鍛えよう(PDF)

巻き爪と陥入爪の違い

巻き爪と陥入爪は同じ状態と思っている方も多いですが、形態と症状は大きく違います。巻き爪は爪の形態が通常より丸まった状態で痛みを伴う場合もありますが、炎症はあまり起っていません。陥入爪は爪の角が皮膚に刺さって炎症を起こした病態が多く爪の形は問いません。指先に爪端が食い込み炎症を起こした場合、痛みは強くなり、すぐにでも治したい気分になるため、その食い込んだ爪を自己流に切り取り深爪にしてしまいます。爪が伸びてくるとまた痛みが出てくるため、さらに深爪にするということを悪循環を繰り返し爪端だけではなく爪縁全体が皮膚にめり込む場合もあります。とりあえずテーピングでごまかせるなら爪が伸びるまではテーピングを行い、爪を伸ばし爪角端を皮膚から遊離しましょう。

ネットで検索しているとその陥入爪の端だけをあまり深爪にならずに効果的にはね取るおもしろい方法が載っていました。しかし、こちらも爪の端をはじいて取ってもまた伸びれば同じことの繰り返しとなります。テーピングや爪端を持ち上げる治療と組み合わせるともっと効果がでるかもしれません。痛くて今なんとかしたい方や自分でやってみたいと思われる方は試してみてもよいかと思います。しかし、クエン酸は痛そうで、ちょっと危険な香りがしますね(^^;) 炎症性の肉芽は原因の爪棘を患部から除去することがファーストチョイスです。それに勝る治療はありません。さらに症状がひどい場合はステロイド塗布と抗生剤内服、ジュクジュクのものは焼灼が標準治療かな(^^)v

リンクフリーということでなのでお断りせず貼り付けましたが(現在は承認済み)、痛くてお困りの方はたくさんの症例が載っているので一度覗いてみては・・・でもあくまで自己責任で!

『陥入爪、爪肉芽の悩み相談』 by 七菜海さん

巻き爪・陥入爪は安易に手術しないように! それでも手術を選びますか?

七菜海さんのブログでは再三再四、爪母を傷つける手術をしてはいけないと述べています。こちらは私もまったく同意見です。フェノール法等で爪母を焼灼して爪幅が狭くなり、再びそこが巻き爪になった方など手術後の色々な方を見せていただきましたが、結局はみなさんあまり改善していないようです。爪母は一度障害を受けると一生正常には戻りません。

左右の拇指の爪幅が違うのは過去に左側だけ爪母wフェノールで焼灼したためです。でも巻き爪は治らず爪幅が短い分、余計にひどく巻いてきたのでこちらに来られました。(左側はこの爪の半分ぐらいに巻いていました!)

論文に書かれた手術の弊害

靴文化の先進国であるヨーロッパでは1979年にすでに巻き爪手術による再発率が83%もの高確率であり、手術は最初にやるべき巻き爪処置ではないという論文が発表されています。

2018年に出された論文でも結論としては「小児および青年における陥入爪(巻き爪)は、最初に非手術的方法で治療することを推奨する。」となっています。長い年月をかけて爪の変形がおこる可能性もあります。

日本では聖マリアンナ医科大学の菅谷先生が2014年に書いた論文『巻き爪の発生メカニズムに則した治療方針とは』でも安易な外科治療は避けるべきとの結論です。

日本皮膚学会のHP『皮膚科Q&A 爪の病気』には

『陥入爪の治療として、爪甲の側縁が生えないようにする手術やフェノール腐食法は世界的に推奨されている方法ですが、術後年数を経ると醜悪な形態の爪となり、その上多くの障害を起こしますので、行わないのが良いと考えています。爪甲の側縁を短く切る方法も行われていますが、一時的に症状を和らげるだけで、爪甲が少し伸びてくると大抵再発しますし、一層重症化します。』

と書かれています。

 

日本形成外科学会のHP『形成外科で扱う疾患 陥入爪』には

『手術では術後に爪甲の幅が細くなる場合や、爪甲周囲の軟部組織の膨隆変形、疼痛、および爪甲の生長障害を生じることもあります。また、爪棘や表皮嚢腫の出現など、爪母処理に由来する合併症の発現も少なくありません。爪甲側縁保護や爪矯正などの保存療法を一定期間行った後、再発を繰り返す、または保存療法が有効でない場合には、手術を行います。

と書かれています。

 

2016年発行の『カラーアトラス 爪の診療実践ガイド』(株式会社 全日本病院出版会 著者  禹彦先生)には「陥入爪の治療として爪母外側を除去する鬼塚法やフェノール腐食法は側爪郭と側爪郭皮膚の繋がりをなくすので、爪甲が趾背面に固定されなくなり、趾屈側に加わる力を支えることが不可能になる。」と書かれています。事実、爪母除去の手術をした後に 爪甲鉤彎症になる例も多いようです。

 

こちらは七菜海氏のブログより勝手にお借りした写真(掲載許可済み)です。爪母を切除したため側爪郭と側爪郭皮膚の繋がりをなくした10年後に爪甲鉤彎症となっています。 爪母を傷つける手術はよ~く考えてから決断して下さい!!

七菜海氏爪母抜爪直後

七菜海氏の10年後の爪

巻き爪治療には健康保険治療で認められているのは爪母切除の鬼塚法やフェノール法です。その後に多数の保存的治療が開発されおりますが、それらはいずれも健康保険適応ではありません。

巻き爪治療は保険ではない場合が多い

しかし、巻き爪治療に関しては最新の安全な治療が健康保険治療適応の標準治療でなくなっているパラダイムシフトがここ20年で起っています。足は第2の心臓です。いくつになっても元気に健康で歩ける足を守るため、巻き爪かなと思ったら健康保険が適応かどうかに関わらず適切な治療を受けましょう。

平成30年現在:1点は10円換算になります。

 

しかし、その前に先ずは爪甲の部分の改善(ご自身では足指洗いやスクエアカットの爪切り、テーピングなど)に努めましょう。巻き爪予防にはご自身の日々のケアも大切です。お風呂では足指洗いをして、上がったあとは水気をきっちりとりましょう。

足爪の正しい切り方

巻き爪治療の原則

爪の三層構造:上から、縦繊維の背爪、横繊維の中間爪、再び縦繊維の腹爪です。指の形と繊維の方向により内向きに丸くなる性質があります。さらに爪は髪と同様ケラチンからできているため、直毛と縮毛があるように丸くなりやすい性質の人がいるようです。逆に指先から爪が受ける力が強すぎるとスプーンネイルという凹型の爪になります。(活発に動く子供爪、指先先や足に力が入る職業の人、鉄欠乏性貧血など栄養に問題があり通常の強さの無い爪など)

縦・横・縦の走行になっている

爪は爪甲のやや白っぽく見える半月状の部分からの下方の爪母細胞からでき、できあがった角化爪が押し上げられているだけです。そのため、角化した爪はそれほどの痛みを伴わず変形が可能です。この性質を利用して足指は大地を蹴り上げることで爪を押し上げ、爪は本来の丸くなる力の均衡により爪の湾曲具合が決定します。

足指の裏から受ける力と爪の丸まろうとする力の均衡

つまり、いくら爪の形を強制的に整えても(VHO、ペディグラス、BSプレスト、そがわ式など)本来の足三角のクッションを利用した踵から大地をとらえ、小指から最後は親指で自然と大地を蹴り上げるという自然な歩き方をマスターしなければ、再発することも多いでしょう。

正しい歩き方


正しい重心の移動:踵からついて小指に重心を移し、最後は親指で蹴りだす

あなたの爪トラブルにあった治療を選択しましょう! 無痛でできる保存療法があります。

当院では付属のエステでその方個人個人の爪ケアから歩き方の指導、靴の選び方等トータルで巻き爪・陥入爪の治療および再発防止に努めております。

爪をリフトしたり、固定したり、バネを使ったりとそれぞれの爪にあった方法で巻き爪・陥入爪を正常に近づけます。もちろん自分自身の日々のケアや歩き方も靴の選び方も重要になるので、指導や専門家をご紹介します。

また、欠け爪にはアクリル人工爪で補強し爪甲鉤彎症の予防を行います。

巻き爪リフトにて矯正

巻き爪ブロックに矯正

いずれの症例も巻き爪は改善していますが、再発しないためには痛みの無い足指を使って大地を踏みしめて歩き、夜には足指一本一本をねぎらいながら洗ってあげる日々のセルフケアが一番大切です。また、きっちりと足に合う靴(インソールで調節も可)を選びましょう。

巻き爪の治療はその爪に巻き具合、どの指に起っているか、痛みはあるのか、白癬症などの合併症はなど色々な要素を加味して行います。同じ治療が治るまで続くのではなくその方の治り具合に応じて治療法も変わります。つまり一人一人、一本一本のオーダーメイド治療が必要になります。

巻き爪・陥入爪でお悩み方は吉村レディースクリニックか併設のFACEとFOOTの専門サロンYLCにご連絡ください。

日々のケアで巻き爪再発を防止しよう(PDF)

その他の爪のトラブル

爪白癬症、爪甲鉤彎症(肥厚爪)、爪囲炎など本格的な治療が必要な方もご相談下さい。

爪白癬症:白癬菌というカビが爪甲に入り込み、その部分の角質が厚くなり爪甲がきれいなピンク色から白濁し、次第に爪甲部分厚みもでてきます。足水虫の軟膏では爪甲下には浸透しぬくいため、爪白癬用の外用薬や内服薬で治療しますが、6~12ヶ月の治療になります。白癬症が進行すると爪甲部分の厚みが増してきますので爪甲鉤彎症(肥厚爪)との鑑別が難しい場合もあります。爪白癬の場合には角質に白癬菌を見つけることで確定診断できますが、確認率は50%以下と言われています。

全指爪白癬症となっている

 

爪甲鉤彎症(肥厚爪):爪甲を打撲する、深爪を繰り返す、抜爪をしたことがあるなど何らかの機序で本来、爪母からのびた爪は前に伸びるはずですが、指皮膚などに邪魔され前には伸びず上方にのびて爪の厚みがましてくる状態をいいます。爪甲部の皮膚との接着面は爪甲自体の大きさに比べて極端に少ないため、治療は爪を削りもとの厚みにもどすことと正常な接着が保たれている爪甲部分まで剥離爪を切断し、その部分の皮膚の盛り上がりをテーピング等で押さえ、アクリル人工爪で補強し、爪が正常な方向に伸びるよう誘導することです。

肥厚爪(爪甲鉤彎症)

肥厚部分を削り、アクリル人工爪をつけた親指がガイドとなり爪母より伸びた正常爪は前に伸びることができます。

肥厚爪(爪甲鉤彎症)は厚みを削ってアクリル爪で前に伸びるようにガイドをつける

 

爪囲炎:ひょう疽(瘭疽)と同じ皮膚の感染症ですが、爪の周囲から炎症を起こした場合に爪囲炎と診断します。多くの場合、爪の皮膚への食い込みが原因となり、黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌などの細菌感染を起こします。抗生剤の投与と食い込んだ爪の除去が治療となります。炎症が肉芽にまでなると食い込んだ爪が探しだしにくいこともありますが、この原因を除去しないかぎり炎症は治まりません。

陥入爪のテープ固定

他院でワイヤーをかけてもらうが奏功せず、来院されました。このかけ方ではワイヤーの爪の把持力が弱いため、しかも炎症の反対側にかかっているため爪先フックをかけて陥入部を持ち上げました。

陥入爪を陥入傷から離すことによって痛みはフック装着直後からなくなり2,3日で炎症部分も腫れがひきました。

陥入爪にリフトをつけて陥入部を持ち上げた

2,3日で炎症がとれました!

 

FACEとFOOTの専門サロン YLC の治療経過の写真の載ったブログもご参考に!

お問い合わせフォームに巻き爪の写真を添付して症状を書いて頂ければ無料相談させていただきます。

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