日常から医療の話まで院長の徒然日記

陥入爪の矯正治療で3ヶ月は長い?

肉芽ができた陥入爪の治療ですが、爪や爪母を切らずに爪の成長に応じて矯正治療すると期間は最低でも1ヶ月、長くなれば半年ほどかかります。平均的には3ヶ月を目安に考えましょう。

こちらの症例は10ヶ月ほど前に深爪で爪囲炎になってしまい、近医で診てもらい塗り薬と飲み薬をもらったのですが軽快しませんでした。そこでクリニックを変えてテーピングや肉芽の焼灼、抜爪等をしたのですが、いっこうに治らないためネットで調べて当クリニックに来られました。

来院時の状態です。(肉芽部分には絆創膏を貼っていたのでその跡がついています)

左右の爪幅も違い、左足の親指左側爪は肉芽が覆い被さっている状態です。

下の写真のように爪エレバをかけて爪を持ち上げると隙間ができたので、そがわ式ワイヤーを引っかけて爪を持ち上げようと試みました。しかし、爪に肉芽が長期間覆っていたため、その部分の爪が浸軟して柔らかく、ワイヤーで持ち上げようとしても爪がコンニャクのようにプルンと曲がりワイヤーの鉤の部分が外れてしまいました。

そのため、この状態の爪にはワイヤーは無理と判断して、アクリル人工爪により爪棘と肉芽の遊離を行いました。

その1週間後の状態です。肉芽を伴った炎症はかなり縮小して乾いてきました。

アクリル人工爪の矯正治療から2週間目の状態です。

アクリル人工爪装着から一ヶ月後、炎症も収まっていました。

部分的にとれかけていたのでアクリル人工爪をはずすと炎症はほぼなくなり、肉芽も消失していました。肉芽があった部分の爪は溶けてなくなり、爪をバイアスカットした状態になっていました。

このままで放置するとまた爪が伸びて爪棘になり、皮膚に刺さり炎症を起こす可能性もありました。そこで、そがわ式ワイヤーを爪の根元にかけて爪側の伸びる方向を誘導することにしました。



このそがわ式ワイヤーは2ヶ月もちました。右側のワイヤーの固定位置に注目して下さい。左右の爪の伸びる速度はこれほど違います。爪棘が皮膚に刺さり込むのもこの伸びる速度の違いによります。しかし、この爪はもう伸びて爪棘が皮膚に陥入することもないと思われましたので、ワイヤーをはずしました。

そがわ式ワイヤーをはずして完治した親指の状態

炎症も収まり、巻き爪もひどくないので完治としました。

この患者さんは深爪が原因で爪囲炎がおこりましたが、その後の初期治療ももたつきました。そのため、1年近くも痛みに苦しみました。

でも今後は巻き爪もひどくないので、深爪をしなければ再発することはないと思われます。

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