日常から医療の話まで院長の徒然日記

IPアドレスは匿名性を打ち破れるか?

あなたならネットの中傷にどう対応しますか

Ⅰ.腹に据えかねた場合は時間とお金はかかりますが毅然とした態度で

片瀬久美子さんの事例から
ツイッターでの中傷投稿への法的対応事例-ネット中傷対策

片瀬さんはtwitterを使って情報発信をしていましたが、その発信ツイートの一つに対してX氏が異を唱え、その後twitter上でのX氏の執拗な嫌がらせが始まりました。片瀬さんはtwitter社にX氏のツイートは悪意のあるツイートであるとの報告を行いましたが、twitter社は片瀬さんにミュートやブロックを推奨し、嫌がらせツイートに対しては削除等の対処をしませんでした。

そのため、弁護士と相談し、 twitter社に 投稿者の特定に必要な「発信者情報」の開示を求める申し立てを東京地裁に行いました。 東京地裁はこの申立てを相当と認めて「発信者情報を開示せよ」との仮処分を出しました。この仮処分でtwitter社からX氏のIPアドレスとタイムスタンプのリストが開示されました。 ←1回目の裁判

個人での発信者情報開示はほぼ不可能であるが、裁判所からの要請があればSNSを扱っている企業は IPアドレスとタイムスタンプのリストを提出する。

* IPアドレス:投稿を行うパソコンやスマートフォンの1台1台に割り当てられる識別符号のこと。

* タイムスタンプ:投稿をした記事の投稿時刻記録のこと。

つまり、この両者がわかれば特定のパソコンやスマートフォンから同時刻の特定記事を明らかにすることができます。

IPアドレスとタイムスタンプ請求までに裁判所で開示請求の仮処分決定をうけなければならない。

上記の情報はこちらに詳しく載っていますが、いずれにしても手間と時間がかかります。

次にIPアドレスから特定したパソコンのインターネットプロバイダの発信者情報開示でX氏を特定します。しかし、プロバイダに対して発信者情報開示請求を他者がする場合、プロバイダは原則、発信者の同意なしに発信者情報を開示できません。

そのため、発信者の同意がない場合は再び裁判所に訴訟提起を申し立てなければなりません。発信者情報にたどり着くまでに最低2回の仮処分や訴訟などの申し立てを裁判所に行わなくてはなりません。 ←2回目の裁判

以上が個人ではなかなか匿名の発信者特定が行いにくい理由です。

しかし、ネット詳しい弁護士に相談すれば費用と時間はかかりますが、名誉毀損や権利侵害など迷惑行為者の特定は可能です。

片瀬さんはこの調査に 「調査費用43万8000円」 かかったと書いておられます。プラス と裁判費用 に弁護士の着手費用が20万円、つまり初期には多額の費用がかかります。しかしそれ以上に匿名の影に隠れてSNSで書きたい放題は許さないという強い意志があったのだと拝察されます。

片瀬さん、ご苦労様でした!

IPアドレスがわかり、刑事上の「名誉毀損罪」や「侮辱罪」に該当する場合は 警察への告訴手続きを経ると当該IPアドレスを使用した個人を割り出すことができます。片瀬さんは民事・刑事の両方から告発していますが、民事裁判は相手方が出頭しなかったため、片瀬さんの主張が100%認められました。←3回目の裁判

しかし、 未だにX氏からの支払いはないということです。 今後は刑事裁判を行う検察の裁定待ちだそうです。刑事事件に対しては書き込み者に逃れる術はありません。

裁判に勝って慰謝料を得るまでには最低3回の裁判所の判定が必要である。

『天網恢々疎にして漏らさず』ネット社会ではもはや匿名は匿名にあらずと言うこと肝に銘じましょう。ネットに長けた弁護士なら必ず匿名者までたどりつけます。

Ⅱ.身に覚えのない恫喝的な訴えはあわてず有能な弁護士に相談

今度は逆の話です。訴訟、告訴を嫌がらせのように行い、相手の言論を封じ込めるスラップ訴訟という手段が昔からあります。

本来、裁判所は互いの言い分を仲裁し、社会常識的に納得できる裁定をおこない、法社会を整備し、ひいては国民生活の安心を担保する機関です。

しかし、社会常識的に納得できる裁定を行うには相当の時間と費用がかかるため、結論がどうであれ面倒に巻き込まれる事態は避けたいとの心理が働きます。その心理に乗じてスラップ訴訟をちらつかせ正論を封じ込めようと裁判所や弁護士を利用する弊害も散見されます。特に最近ではSNSがさかんになり個人の発信力が強まったため、告訴、訴訟を恫喝の道具として使う声の大きな人達がいます。

名誉毀損や誹謗中傷をしていると配達証明書・内容証明書を受け取ったとき

内容証明郵便は郵便局が配達と内容を確認して保障する個人の私信です。基本的に私信のため、内容に妥当性がなければ私信としての取り扱い以上の対応は不要です。ただ弁護士名で送られると受け取った側は個人の私信以上の心理的負担が大きくなります。スラップはその心理をついてきます。

身に覚えのない内容証明書はスラップ恫喝として毅然とした対応をしましょう。しかし、法律の専門家ではない方は弁護士に相談する際も時間的にも経済的にも負担が大きくのしかかります。それが相手の意図なのですが、対抗策をとらず、何もしなければ、最終的には泣き寝入りという事態になります。先ずはネットに強い弁護士をさがしてネット相談を行い、頼りになりそうな先生を見つけることからはじめましょう。

内容証明郵便の基礎知識

個人で書く内容証明書の留意点



たまたまネットで見つけた内容証明書見本(電子内容証明郵便)がありましたので、良い機会です。この見本の内容が妥当かどうか検討してみましょう。

受任通知兼請求書と記載があります。しかし通常の内容証明書郵便では押してある弁護士印影はありません。これは大量に内容証明書を発行するところ(内容証明書の扱いに慣れている)が利用する電子内容証明郵便の書式です。この場合は印影は不要(ネットでのやりとりのため押せない)です。新東京が電子内容証明書の受付刻印です。

しかし、困ったことに電子内容証明書には印影がないため大量に送る必要のある請求詐欺メールとの区別が容易にはつきません。もし怪しいと思ったら、書面の電話番号に電話をかける前(電話番号を知られる恐れがある)に警察に相談することもお考え下さい。ただ弁護士名が書いてある電子内容証明郵便であれば、放置すれば内容の真偽について弁明できないまま裁判という事態にもなりますのでくれぐれもご注意下さい。

文面をみていきますが、この電子内容証明書郵便では宛先・差出人の氏名等の記載があり内容証明郵便の形式は踏んでおります。

しかし、「本文」の表でお示ししたようにまずは相手に名誉毀損の主張が確実に伝わるため日時・内容を時系列に沿って具体的に書いていくことが必要です。この見本の場合、具体的内容はほとんど書かれていません。作業・金銭的要求のみが羅列されています。本来の訴訟対象の内容証明書の目的は相手に対する具体的な名誉毀損内容の意思表示です。何をされたのか、また何を制限し、何を保障してほしいのかを論理的に書くことが求められます。

この文書が本当の弁護士によって書かれたものであるなら、具体的内容を丁寧に説明していないため相手を納得させるというよりはスラップ的意味合いが強い見本として書かれたものかもしれません。

また、ブログの削除権限があるのであれば云々の文面を読み解けばブログの制作者であるのかないのかも不明なまま送られた内容証明書であることが推察できます。このことはネットの匿名は匿名にあらずの原則から事実誤認であれば相手に対する迷惑行為や名誉毀損になりかねません。内容証明書は文面が保存されるため、このような事実を確認しない文書は反訴の訴訟リスクが高くなります。つまり、内容証明書の文面は慎重の上にも慎重を期すべきものです。

何度も申しますが、現在ではネットの匿名は匿名にあらずです。手間はかかりますが、きちんとIPアドレスでブログ主を特定できる体制が整っている以上、弁護士が書いた文面は手間を惜しまず事実であることが重要です。もし事実誤認なら金銭的要求や行動制限は恫喝や恐喝・詐欺として相手から損害賠償請求を受ける可能性もあります。 ネットの匿名は匿名にあらずの原則を履行せず、本人確認の手間を省いた文章を内容証明書で書くべきではありません。

ネット拾い画で 電子内容証明書の内容を解説してみましたが、見本としてより、書いちゃダメ!見本としてこの見本はご理解ください。

内容証明書は私信であるため、その真偽を確かめること。恫喝の可能性もあり、心当たりがなければ安易に要求に応じてはならない。

裁判所から訴状が届く民事・刑事裁判の段階

この状態になると私信ではなく、裁判所からの呼び出しの公文書です。双方、弁護士を交えての裁判となるので、それなりの時間と手間と費用がかかります。しかし、主張に正当性があれば、出廷して反論を行うことが肝要です。

スラップ裁判は、あなたの時間とお金と言論の自由を奪う事が相手の目的なので勝ち負けは相手にとって関係ありません。名誉毀損の立証責任は相手方にあります。証拠もなく立証できない訴えに対しては裁判所は判断をくだしません。また提出した証拠が脆弱であれば、それを覆す証拠をあげて裁判所の判断を仰げばいいだけです。

もし、不幸にしてスラップ訴訟を仕掛けられた場合には、その訴えがスラップであり、相手の訴えに真実性が少ない証拠を集めて、ネットに強い弁護士さんを選んで裁判にのぞんでください。

時にはスラップ裁判を仕掛けられると事もあるが、 スラップ裁判は仕掛けた方に問題がある。

Ⅲ. SNSにはブロックやミュート機能がある

Ⅰ.Ⅱまではネットの相手を打ちのめすということで対処例をかきましたが、それには手間も時間も費用もかかるとことはご理解いただけたと思います。

ネットにはブロックやミュートという簡単な方法で嫌な相手とのつながりを切ることができます。

ネットでの気になる書き込み多々あるとは思いますが、まずは気にしないこと!みないこと!嘘であふれていること!を理解して便利に楽しくSNSを使うようにしましょう。

嫌な相手はブッロク・ミュート推奨です!!

SNSは上手に使えば距離を超えて交流をもてる楽しい道具です。自らも節度をもって使うようにしましょう。

ネットの世界をもっと気軽に楽しみましょう。嫌だと思ったら即ブロック or ミュート!!

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